2010/10/15

2011年10月あき No.26

(寄稿)子供の成長と私の手触り体験
皆様から寄せられたお便りをご紹介します。
このうちのいくつかは、ご了解を得てパンフレットにも掲載しています。


(1)「タッチ」大好き、娘のスキンシップ 横浜/30代 女性
3歳になる子どもが一番触るのは、やはり人。お風呂では私の脇の下の手触りが気になり、自分がよく触られるからかほっぺもお気に入りです。友達とさよならするときにも必ず「タッチ」を求めます。手触りとともに安心感やつながりを感じているのかもしれません。私は子どもの柔らかい手触りに癒されつつ、次第にしっかりした体つきになることに成長を感じています。

(2)焼き上がるパンの変化にびっくり 横浜/30代 女性
娘と一緒にパン作りをしました。娘は最初からフワフワのパンをイメージしていたようでしたが、出てきた材料は粉やベチャベチャした生地。イメージとかけ離れた状態にがっくりしていた様子。ところが、成形を終えオーブンで焼き始めると、徐々に膨らんでいくパンとともに娘の顔がほころんでいくのが印象的でした。自分でこねたパンがフックラと焼きあがり、温かな感触に大満足。食べてみてフワフワやわらかい食感に大、大、大満足の娘でした。

(3)娘のゲジゲジは、私の眉毛 多摩/40代 男性
私は毛深くて剛毛なのですが、3人兄妹の末娘(4歳)は私の眉毛がお気に入りのようです。家内が「ゲジゲジまゆげ」と呼んだのが面白かったらしく、「ゲジゲジさわらして」と言っては触ってきます。右利きで左眉ばかり触るので「こっち(右眉)も触ってあげないとかわいそうだよ」と言ったら、両手で一生懸命に触ってくれました。いくつまで触ってくれるのか・・・。

(4)虫嫌いはママの責任?  横浜/40代 女性 
子どもがまだ小さかった頃、突然、大きなアオムシを握り、うれしそうに私のところに走ってきました。それを見た私があわてて「キャー!」と騒いだとたん、びっくりして怖がって大泣きしてしまいました。それまでは触れたのに、私が騒いでしまったために「怖いもの=触れないもの」とインプットされてしまったようです。いまでは虫が大嫌いな子になってしまい、反省しています。

(5)ゴツゴツした父の手  相模原/30代 男性
幼稚園の頃の記憶ですが、父と母と3人で手をつないで歩いたときの感触を憶えています。父の手はゴツゴツしてザラザラ。母の手はフックラしてスベスベ。エンジニアだった父の手は、いつも機械を触っていたので固くなっていたのですね。父は足の裏もゴツゴツして固かった。いま私の手と足も父までとはいかないまでも、十分にゴツゴツして固くなっています。

(6)やわらかな子猫に感謝  横浜/30代 女性
娘は動物を怖がって大泣きして触ろうとしませんでした。このままでは娘にとって良くないと思い、子猫を飼うことにしました。娘が少し子猫を気にし始めた頃に初めて「触ってみる?」とたずねました。手を添えて一緒に触れてみると驚いた顔をして「やわらかいね」と言いました。それからは「あったかいね」「かわいいね」と私が手を離しても撫で続けていました。そんな姿を見ていると涙が出ました。それ以来、どんな動物でも怖がらなくなりましが、最近ではもう少しやさしく触ってあげたら…と思うほどです。

(7)布おむつが私のルーツ  横浜/30代 女性
母は自分で作った木綿のおむつにこだわっていたようで、私は布おむつで育てられました。そのせいかどうかはわかりませんが、天然素材の肌触りにはホッとする何かがあるようです。スポーツのときは機能性素材のウエアを着ますが、日頃はコットン100%のTシャツが気持ちいいんです。娘は手軽な紙おむつでしたが、普段着は出来るだけ天然素材のものを選んで着せるようにしています。3歳ですから本人は違いはわからないだろうけれど。

(8)初めての犬の感触  横浜/30代 女性
7ヵ月の娘がいる我が家に初めて毛足の長い犬が遊びに来ました。それまでは何でも口元に運んでいた娘が、さすがにこれは舐められないと思ったのか、こわごわ触ってみることに。犬は文句も言わず背中の毛を引っ張られてましたが、口の周りの毛の時はさすがに「ギャヒン!」とひと鳴き。場所によって手触りが違うことを学んだと同時に、自分が何かすることで「効果音」が出ると気づいた娘は、その後もずっとあちこちを引っ張り続けていました。

(9)磯で育んだ長女の興味  横浜/40代 男性
2人の子どもが小さい頃、夏は海の岩場によく連れて行きました。長男は水に浸かるのが精一杯。ところが下の子(長女)はカニはもちろんヒトデも平気で触ります。水族館に連れて行ったときも、磯の生物を自由に触ることの出来るキャッチングプールで、2歳ちょっとだった長女は何のためらいもなくナマコを握りました。海洋生物への興味はその後も膨らんでいって、いまは日本大学生物資源科学部に通っています。

(10)豆腐の賽の目切りでムニュ  横浜/40代 女性
子ども向けの料理番組を見ながら娘に包丁を握らせ、豆腐を切る体験をさせたことがあります。大人用サイズの包丁は重くて、どう使っていいのかわからなかったと思います。見よう見まねで賽の目に切りましたが、今度は小さくなった豆腐をつかむのに苦労していました。ムニュっていう何とも手ごたえのない感触に困惑した様子でしたね。

(11)糠床の忘れられない感触  八王子/40代 女性
母が実家の物置でぬか漬けを漬けていました。キュウリ、ナス、ニンジンなどが中心でいたが、季節によってゴボウやキャベツが加わることも。糠床はザラザラしているように見えるのに触るとグニュとしていて、握ると指の間からムニュ~と出てくるあの感覚はほかにないですね。子どもの頃は匂いが好きでなかったのに、いまではおいしい香りに感じます。母は70歳を超えたいまでもぬか漬けを漬けています。

(12)固さと艶の泥だんご  町田/50代 男性
小学校低学年の頃はよく泥だんごを作っていました。僕たちの仲間では大きさよりも固さと艶が勝負。粘土質の土を探してきては一生懸命握りました。畑の土より田んぼの土の方が良いだんごが出来たと思います。柔らかいだんごを少しずつ固くしていき、砂場の砂で表面を研磨したり、乾燥させて手でこすって表面がツルツルになるまで磨きます。出来たものをぶつけ合って競ったと思います。

(13)素手で捕まえるホンチ  横浜/40代 女性
私は子どもの頃、兄に連れられてホンチ*獲りに行くのが日課のような時期がありました。兄が捕まえたホンチを手渡され、カゴに入れたり、逃がしたりするのは素手でやっていました。気持ち悪いとか、くすぐったいといった感触は覚えませんでした。ちゃんとやらないと兄に怒られると思って必死だったのかもしれません。しかし、娘は小さなときから大の虫嫌い。クモだろうがゴキブリだろうが姿を見ただけで大騒ぎ。ホンチ獲りの話をしても「お母さん大丈夫なの?」といった表情しか返してきません。
(※ホンチ 黒色のハエトリグモの一種を横浜のある地域ではこう呼んでいた。ホンチはサカキの木などに棲んでいるので、枝を振って落ちてきたところを捕まえる。剣(たぶん前脚)が太く強そうな風貌のホンチは「カンタ」、腹部の表面が黄色に見えるのを「キンケツ」などと呼ぶ地域もあったらしい。ホンチ遊びとは、縄張り意識が強く、旺盛な闘争心を逆手にとってクモ同士を戦わせること。戦い専用の箱、1匹づつ保管する箱などが昭和30~40年代の駄菓子屋で売られていたという)

(14)手触り・・・私の体験 東京都/50代男性
子どもの頃、台所で米を研ぐ母親の様子を見ながら「ずいぶんリズミカルなものだ」と感じたのをいまでも覚えています。「シャカシャカ、シャー」とか「ギュッ、ギュッ」とか心地よい音でした。うちにはその当時、電気炊飯器はなく直接火にかける「お釜」。左手で釜のヘリをつかみ豪快に研ぐのがかっこ良く、自分もやりたかったのですが、小さい時分には「お前ではお米を無駄にする」と言われてやらせてもらえませんでした。
10歳を過ぎるとやっと私にも出番を与えられ、米研ぎも「やってみろ」と任せてくれましたが、とても母のようにリズミカルに行かずひたすらギュイッ、ギュイッ、ギュイッ…。手のひらの丘のところで押すようにすると米粒同士がこすれあって糠がとれていくのでしょうか。つぶつぶした手ざわりの良さと水の冷たさが気持ちよく、米がとてもきれいに見えました。「研ぎすぎると、大事なところがとれてしまう」と言われたこともありますが、「お前が研いだ米はうまい」と褒めてくれたので、いい気分になり力任せに研いでいたのを思い出します。確かに自分で研いだ米はおいしかった気がします。これも食育だったと感じています。